投資家Aさん
NDD方式は海外FX業者に多い取引方式ですが、DD方式との違いが今ひとつピンと来なかったり、メリットやデメリットが分からないという人もいると思います。
ここでは、NDD方式とは何か?という基本的なところから、DD方式との違いや、それぞれの取引の良し悪しについてどこよりも分かりやすく解説してきます。
大隅章太郎
目次
NDD方式とは?DD方式との違いやメリット・デメリット
NDD方式とはどんな取引なのか、DD方式と比較して分かりやすく解説していきます。
まずは次の表をご覧ください。
項目 | NDD方式 | DD方式 |
---|---|---|
FX業者の介入 | なし | あり |
FX業者による取引操作 | 不可能 | 可能 |
取引の透明性 | 高い | 低い |
FX業者の利益 | スプレッド(手数料) | 顧客の反対売買 ノミ行為など |
スプレッド | 広い | 狭い |
NDD方式とDD方式にはざっくりと上記のような違いがあります。
投資家Aさん
大隅章太郎
NDD方式とは?メリット・デメリット
NDD方式を簡単に言うと、次のように表すことができます。
FX業者を介さずに直接市場と取引する方式
FX業者を介さずに取引するというのは、図にすると次のようになります。
FX業者を一切介さずに市場(カバー先や銀行)と取引ができるため、FX業者に取引をコントロールされることがありません。非常に透明性が高い取引方法です。
※カバー先はレートを提示してくれる金融機関です。
投資家Aさん
NDD方式のFX業者の利益の出し方
NDD方式でFX業者の利益はスプレッド(手数料)になります。
ですので、必然的にスプレッド幅は広くなるのがNDD方式の特徴です。
NDD方式のメリット・デメリット
NDD方式のメリットは次の点です。
- 取引の透明性が高い
- FX業者を介さないので、注文価格と約定価格の差がない
NDD方式のデメリットは次の点です。
- スプレッド幅が広い
取引の透明性が非常に高く、取引操作される心配がないですし、直接市場とやり取りできるのため、約定のタイムラグが少ないというメリットがあります。
その反面、FX業者の利益はスプレッド(手数料)のみなので、必然的にスプレッド幅が広くなってしまうのがデメリットです。
大隅章太郎
投資家Aさん
大隅章太郎
DD方式とは?メリット・デメリット
DD方式というのは、次のように表すことができます。
FX業者を介して取引する方式
FX業者を介して取引するというのは、図にすると次のようになります。
FX業者が「ディーリングデスク」というものを置いて、顧客の注文を取り次ぐ形で注文が市場(カバー先や銀行)に流れていくわけです。
DD方式のFX業者の利益の出し方
DD方式では、NDD方式とは全く違う方法でFX業者は利益を出しています。
- 呑み行為(注文の取次をしない)
- 反対売買を行う
FXではトレーダーの9割は負けていると言われています。
大隅章太郎
この注文の取次をせずに顧客の証拠金だけ減らして自社の利益にすることを呑み行為(ノミ行為)と言います。
また、9割が負けているということは、トレーダーと反対売買すれば9割儲かることになるので、DD方式は次の図式が成り立つことになります。
- FX業者の利益 = トレーダーの損
- トレーダーの損 = FX業者の利益
DD方式はFX業者と顧客の利益は相反する関係なのです。
DD方式のメリット・デメリット
DD方式のメリットは次の点です。
- FX業者の利益は顧客の損なので、スプレッドを限界まで狭められる
一方でDD方式のデメリットは、次の点です。
- 取引がコントロールされ、不正の可能性がある
- FX業者を介するため、注文の到達が遅く思った価格で約定できない可能性がある
取引がFX業者にコントロールされるので次のような不正が行われる可能性があることには注意が必要です。
- レートずらし
- ストップ狩り
- ロスカット狩り
- スリッページ(すべり)させる
- システムダウンさせる
投資家Aさん
NDD方式とDD方式の違いを表にまとめると
NDD方式とDD方式の違いを表にまとめると、次のようになります。
項目 | NDD方式 | DD方式 |
---|---|---|
FX業者の利益の出し方 | なし | あり |
メリット | ・取引の透明性が高い ・約定が早い |
・スプレッドが狭い |
デメリット | ・スプレッドが広い | ・取引操作される可能性あり ・約定が遅れる可能性あり |
NDD方式とDD方式で、どちらが確実に有利ということはありません。
大隅章太郎
ただし、スキャルピングを行う場合は確実にNDD方式が良いです。
NDD方式の海外・国内FX業者一覧
NDD方式の海外業者と国内業者を一覧でご紹介します。
海外でNDD方式の業者一覧
海外FX業者はほとんどNDD方式を採用しています。
方式 | 業者 |
---|---|
NDD方式 |
|
DD方式 |
|
NDD方式が主流の海外FX業者で珍しく、GemForex(ゲムフォレックス)、BigBoss、FXDD(一部)がDD方式を取っています。
※DD方式にはNDDと主張している業者も入っていますが、おそらくDD方式と判断しています。
こちらの海外FXおすすめランキングではNDD方式・DD方式を採用している業者を
「信頼性」「取引コスト」「ボーナス」「レバレッジ」で比較してランキング化しています。どこの海外FX業者を利用すべきか悩んでいる方は、併せてご覧ください。
国内でNDD方式の業者一覧
国内FX業者はランキング上位にくるような主要業者はほとんどDD方式ですが、次の業者がNDD方式を採用しています。
方式 | 業者 |
---|---|
NDD方式 |
|
DD方式 |
|
このように国内のDD方式は比較的マイナー業者が多く、GMOクリック証券やDMM FX、SBIなどの大手はすべてDD方式を使っていることが分かります。
国内でも海外FXでもスキャルピングをやるならDD方式は厳しい
国内FXでも海外FXでも、スキャルピングをやるなら、正直なところDD方式は厳しいです。
DD方式はスプレッド幅が狭いので、スキャルピングに適していると思いがちですが、次の点で問題があります。
発注から注文が市場に到達するまで時間がかかるのでスリッページ(注文価格と約定価格の差)が発生しやすい
大隅章太郎
一方で、NDD方式ですと、FX業者を介さないので表示レートで約定できる可能性が高まりますので0コンマ1秒が重要になるスキャルピングには適しています。
NDD方式じゃないとMT4は都合が悪い?
全世界で使われており、非常に透明性の高い取引ツールにMT4があります。
NDD方式はトレーダーと市場が直接取引するだけなので、全世界標準と言っても良いMT4を使用してもなんの問題も起きませんし、EA(自動売買機能)も使えます。
しかし、国内のDD方式の業者は独自の取引ツールを使用しています。
これは、国内のDD方式で透明性の高いMT4を使ってしまうと意図的にスリッページやリクオートを起こしたらトレーダーに気付かれてしまうから、と勘ぐられても仕方がありません。
独自のツールを使っておけば、DD方式で取引操作したとしても気づかないのは確かです。
真相は誰にも分かりませんが、この辺にもDD方式の危うさが存在するということですね。
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